人の心を動かす文章術 | |
樋口 裕一
草思社 2004-03-23 おすすめ平均 |
樋口裕一さんの『人の心を動かす文章術』を読みました。
今はブログを初め、メルマガ、ホームページなど、誰でも手軽に自分のメディアを持てる時代です。
4月6日から始めたこのブログですが、自分のメディアを持つメリットは予想以上に大きいということを、今のところ毎日更新し続けている私は実感しています。
最も大きいのは、立場の変化にあると思います。
ブログで自分の考えや意見を書くとなると、自分の頭で考えたり、仲間内で話している状態とは打って変わって、自分のメッセージが一気にパブリックなものとなります。
誰が読むか分からない状況ではイヤでも人の反応が気になり、書く内容にも慎重さが出てくる人も多いのではないでしょうか。
しかし、私はここに大きな成長のチャンスがあると思っています。
書くということは、ある立場を鮮明に打ち出すということ
これは本書の一文ですが、イヤでも人の反応が気になってしまう中、それでも自分の軸をまっすぐ持って思ったことを素直に書くことは、人にハッキリと自分の意見を伝えるいい練習になります。
また、その自分のありのままの意見がどれほど読者に共感を得ているのか、または反対されているのかを知ることで、自分の意見を客観的に見直すこともできます。
つまりブログは使い方次第で、自分の芯を太く、そしてまっすぐに伸ばす、素晴らしい成長の場となりえるのです。
しかし、これは相手に自分の考えを伝えられるだけの文章力があれば…の話です。
正直、「この人は結局何が言いたいのか良く分からない」というような文章では、「文章がよく分からない」という反応はあっても、自分の意見に対する鋭いフィードバックは得られないでしょう。
それ以前に、まず読んでもらえないかもしれません。
文章力がないということが、成長機会の大きな損失につながってしまうのです。
前置きが長くなりましたが、こういう時代だからこそ、『人の心を動かす文章術』は必読の一冊だと思います。
本書は一工夫で上手な文章が書けてしまうテクニックが満載です。
下手な文章を上手にする原則的なテクニックから、上手な文章を更に魅力的な文章にブラッシュアップするためのテクニックまで広く扱っているので、
●「文章力の基本を抑えたい」
●「基本はあるから、もっと読者を引き込むような文章のテクニックを知りたい」
どちらのニーズも十分満たしてくれます。
「私には文才がない」という言葉をよく聞く。多くの人が、生まれ持った能力があればすらすらと文章を書くことができ、それがないと、にっちもさっちもいかないというふうに思っているようだが、そんなことはない。ちょっとしたテクニックを身につければ、それほど苦労せずに文章が書けるようになる。
相手を引き込むような文章力が身につけば、ブログのみならず、セールスレターや社内メールなど、ビジネスの場面でも非常に心強い武器になるはずです。
是非本書を通して「ちょっとしたテクニック」を身につけて、文章力をブラッシュアップしてみてください。
非常にオススメです。
と、今日は本書の内容を参考に、「文章力」を強く意識して書いてみました。
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以下、私用メモ
意味もなくむずかしい言葉を使ったり、読み手に関心のないことを長々と書いておいて、理解できないほうが悪いというような態度では、文章を書く資格はない。
全員に同意されることを目指さない
●百人みんなが同意するようなことを書いても、読んだ人は面白いと思わない
●はじめから敵を決めて、そうした人々を怒らせるような文章を書くのも、一つの方法
●書くということは、ある立場を鮮明に打ち出すということ
型が文章のまとまりを作りだす
●予告・エピソード・展開・まとめ
面白い文章にするコツ、それは、まず書き出しを工夫すること
●擬音ではじめる
●会話ではじめる
●動きのある行為からはじめる
●読み手の意表をつく
●逆説ではじめる
リアリティを作りだす
●具体的に詳しく描写する
●意識して現在形を使う
●会話体を取り入れる
描写
●比喩表現を用いる
文章の推敲する
●主題ははっきりしているか
●欲張っていくつものことを書いてないか
●構成が的確にできているか
●具体性があるか
●書き出しにインパクトがあるか
●リアリティはあるか
●表現はうまくいっているか
●ワンパターンになっていないか
●さまざまな人が読んでも説得力があるか
人の心を動かす文章術 | |
樋口 裕一
草思社 2004-03-23 おすすめ平均 |
2 Comments
耳が痛い…。
>正直、「この人は結局何が言いたいのか良く分からない」というような文章では、「文章がよく分からない」という反応はあっても、自分の意見に対する鋭いフィードバックは得られないでしょう。
なるほど。
いまは書く練習をしていると割り切って、
ブログには書きたいことを書いていましたが、
読んでくれているひとには失礼だったのかもしれませんね。
これからは読者を意識しつつ、書きたいように書いていきます!
早いうちに、この本も読んでおくべきですね。
ぼってぃーさん
>これからは読者を意識しつつ、書きたいように書いていきます!
読者を意識した分かりやすい文章を書くのは時間がかかりますし、
自分さえわかればよい書き方でも、読むのが自分であれば特に問題はないですよね。
でも、結局は分かりやすい文章を書くことが自分のためになるので、
私も上記のスタイルが一番いいと思っています!
さて、記事ではえらそうに書いている私も、自分の文書力が
未熟であることは重々理解していますよ(^^;