堀紘一さんの著書、「一流の人は空気を読まない」を読んだ。
本書はドリームインキュベータ会長である著者が、最近の「空気を読まなくてはいけない」という風潮に警報をならしたものです。
KY(空気を読めない)という言葉が聴かれるようになって久しい最近ですが、同じKYでも
●本当に空気が読めない人
●空気を読もうと思えば読めるがあえて読まない人
とを本書では区別しています。
「一流の人は空気を読まない」と題してはいますが、結局は空気を読めるということは必要な能力なのです。
場の空気を感じることができないということは要するに、他人の望みや考えを感知できない、必要な感性が欠如してしまっている状態で、これ自体はかなりまずいことです。
しかし、空気を読んでばかりの「空気読みのスペシャリスト」になっても、それは単に周囲との摩擦を避け、何事もなく生きていこうという失敗のない無難な生き方に他ならず、尖った何かを持つ「一流」には決してなれないと、本書は言っているのです。
本当は間違いだと思っていても、上司の言うことだからここは空気を読んで賛成しておこうという「空気読みのスペシャリスト」ではなく、間違いだと思ったら自分で正しい空気を創りだすようなクリエイティブな人が、今後は求められているのです。
そして、そういう人こそが新しい空気を創り、新しい時代を切り開く「一流のリーダー」となるのです。
真のリーダーになろうと思ったならば、空気などに縛られず、自分が正しいと思ったことを主張できるようにならなければならないのです。
結局のところ、空気とは、読むものであるだけでなく「創るもの」であり、空気を創りだせる人間にならない限りは、先が知れている。
さらに極端にいえば、「空気なんてクソくらえ!」と考えられるくらいの気骨を持ってほしいということである。
人の価値観は様々なので、誰しもがリーダーを目指したり、一流を目指したりする必要はないと私は思いますが、本当は言いたいことややりたいことがあるのに、周りの空気に縛られて迎合主義に陥ってしまうのは本当にもったいないことだと思います。
価値観は様々だからこそ、他人のではなく自分に合う価値をとことん追求したほうが、充実した生き方になるのではないでしょうか。
人と違うことを恐れず、失敗を怖がらずに決断する大切さを教えてくれる一冊です。
お勧めです。
一流の人は空気を読まない (角川oneテーマ21) | |
堀 紘一
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