日垣隆さんの著書、「ラクをしないと成果は出ない」を読んだ。
著者の言う「ラク」とは例えば、「どうせ同じ自給800円ならなるべく楽をしよう」といった後ろ向きの楽ではなく、「今3日かかることを1日で終わらせる効率のいい方法を考えて、残りの時間をもっと成果の出せることにまわそう」というより生産的な「楽」である。
そして、この「ラク」の仕方はゼロから自分で築き上げるよりも、既にあるノウハウを組み合わせて自分に合う形にアレンジしたほうがずっと効率がいい。
また、何もかもを自分でやろうとせず、人に頼んだほうが早いものはどんどん頼み、自分は自分のやるべき、代替性のない仕事をやるという具合に、選択・集中するのもラクをしてより成果を出すポイントである。
本書は「ラクをしてより成果を出す」ための考え方を100個の項目によって解説する。
一つなるほどと思ったのは、「人から薦められたものは、無理をしてでも即日取り入れる」というもの。
誰かに薦められたら、すぐさま取り入れないと何も教えてもらえなくなり、人とのネットワークも脆いものに変わってしまうものです。
自分が薦めたものを取り入れ、喜んでくれる相手には、誰だってますます何かを薦めたり、教えたくなります。だったら実行しない手はありません。
なるほど、人からせっかく薦められたものをはねつけることによって機会を失うくらいなら、「つまらなくてもかまわないから即刻やってみよう」という姿勢でいるほうがよっぽど生産的だ。
100の中には当然納得できるものと納得できないものがあり、今すぐ使えるものと自分にはあわなそうなものもあった。
だが、1500円と本書を読むのに必要なかかった時間というコストを考えると、1つでも今後使えそうな考え方があれば、それを用いることで今後どれだけの差が生まれるかを考えれば、それは「ラクをして成果を出した」ことに他ならない。
買うかどうか迷うなら、思い切って買うのをお勧めする。
以下、自分用のメモ
●情報とは「出会う」もの
●何かアイデアを思いついたら、秘宝のごとく抱え込まず、人に揉んでもらう
●全てのアイデアは制限から生まれる
●仕事の量は、完成のために与えられた時間を全て満たすまで膨張する
会社がどう成り立つのかを知るために、簡単な会計学の本を読む
●全ての会社員は副業をするべきで、その際のポイントは最初から黒字にすること
●商売の基本原則は3つ―安く仕入れて高く売る「流通」、違うものを組み合わせて新しいものを作る「製造」、付加価値をつける「サービス」
●独立するとき、取引先が1社しかないなら時期尚早
●やらないことリストを作る
●1時間飽きさせずに話せればお金になる
ラクをしないと成果は出ない | |
日垣 隆
大和書房 2008-05-23 おすすめ平均 |