小林英二さんの「マジマネ5 部下の「やる気」を育てる!」を読んだ。
マネジャーの仕事は
●メンバーが能力を最大限発揮できるように職場をオーガナイズする
●メンバーのモチベーションを引き出す・維持する
の2つに分けることが出来ますが、本書はその中でも「メンバーのモチベーションを引き出す・維持する」を扱った一冊です。
いろいろな人の話を聞いていると、どうも日本の企業には「部下を叱ること、部下の欠点を指摘することが仕事」だと考えているマネジャー職の方が多すぎるのではないでしょうか。
マネジャー職の責任は、部下の力を最大限に引き出して、チームとしての成果につなげることにあるはずです。
部下のやる気をくじき、チームのモチベーションを削減しているようでは、その責任を果たしているとはいえないと思います。
本書は、モチベーションマネジメントを
●PULL型モチベーション―内発的動機付け
●PUSH型モチベーション―アメとムチを使った外発的動機付け
に分けて考えています。
マネジメントで成果を出せていない人の多くは、後者のPUSH型モチベーションに頼る頻度が多いのではないかと思います。
金銭や恐怖によって強いインパクトを与えるこの手法は、簡単に動機付けを行える一方で、モチベーションの質が悪く、しかも長続きしないという欠点を持っています。
また、あまりアメとムチを多用していると、いかに楽をしてアメを受け取り、ムチを回避するかばかりを考える社員を育てることになってしまいます。
それに対して、PULL型モチベーションには部下の内部にある好奇心や有能感への欲求を仕事と結びつけることで、部下が自発的にモチベーションを発揮できるという利点があります。
「やりたくない」「やらなくてはいけない」ではなく、「やりたい!」という感情を呼び起こすのです。
本書はこのPULL型モチベーションに特化しているので、マネジャー職の方には非常に有用な一冊だと思います。
以下は、私的に参考になった箇所です。
PULL型モチベーションの3原則
1.自律感を与える
2.有能感を育てる
3.信頼関係を築く
部下が望む『幸せな人生』に今の仕事を結び付けてやれば、部下の「やりたい!」という気持ちを引き出すことが出来る
部下を大人として認める
●部下を信じる
●尊敬できる相手として礼儀を持って接する
●異なる意見を頭ごなしに否定せず、違いを受け入れる
リーダーは、部下にとっての安全基地になる
有能感を引き出すサポートアクション
●成功体験の少ない部下には、最適な目標設定を支援し、達成感を味わわせる
●マイナス思考の部下には、細かく達成感を味わわせて、チャレンジ意欲を湧かせる
●達成したことを頻繁に褒める
マジマネ5 部下の「やる気」を育てる! (マジマネ) | |
小林 英二
ディスカヴァー・トゥエンティワン 2008-09-15 おすすめ平均 |
2 Comments
いつも楽しくBLOGを読んでいます。
私も少しマネジメント経験がありますが、チームのモチベーション維持は本当に難しいなと感じます。
その分、上手く行けば、一人の時よりもはるかに多くの成果を上げる事ができるのがマネジメント職の醍醐味ですね。
私も部下と夢を共有しモチベーションを高めあえる、そんな上司を目指したいです。
kazさん
こちらこそ、いつもブログを楽しく読ませていただいてます。
>上手く行けば、一人の時よりもはるかに多くの成果を上げる事ができるのがマネジメント職の醍醐味
まさにそうですよね。
一人で出来ることには限りがありますが、
優れたマネジャーが組織に与える影響は一人で出来ることの
何倍もの価値があると思います。
「最高のリーダー」「最高のマネジャー」を目指して、
私もがんばります!