斎藤孝さんの「ブレない生き方」を読みました。
本書は「ブレない生き方」を体現した十二人の生き方をモデルとし、ブレずに生きるためのヒントを得ることを目的とした一冊です。
私が一番面白いと思ったのは、高橋是清の一説でした。
上から見込まれて、仕事を振られたとしよう。「えっ、俺ですか?」ととまどった時点でアウトだ。是清は、「機会」はいつ来るかわからないから「準備をしておかねばならぬ」(同前)と考えた。
(中略)
イチロー選手を見よ。一流と呼ばれる選手は、準備にもっとも時間をかける。だからこそ結果を残せる。「準備不足で」などという言い訳はしない。
では社会人である私たちは、どんな「準備」をしたらいいか。(中略)
1.知識を深くする事
2.見聞を広くする事
3.品性を養う事
「チャンスの女神は前髪しかない」というのは有名ですが、チャンスというのは準備の出来ている人にのみつかめるものなのだと私は思います。
「常にアンテナを張っている人だけがチャンスに気づくことができる」というのは最もだと思うのですが、例えチャンスに気づけても、それに備えて自分を磨くという準備をしておかないと、いざというときに「力不足でつかめなかった、十分に活かせなかった」ということになりかねません。
サッカー選手が良い例えだと思うのですが、チームにはスタメンで試合に出ることが多いレギュラーメンバーと、彼らのいないときに代わりを務めたり、交代要員としてベンチに座ることが多いバックアップメンバーがいます。
バックアップメンバーにとっては、スタメン選手が試合に出れなかったり、試合中に交代が必要になったりしたときこそが、自分の力を試合で示すチャンスになります。
しかし「自分はスタメンじゃないから」「レギュラーじゃないから」と普段から十分なトレーニングを積んでいない人はこのチャンスを活かすことは当然できないわけです。
腐らずに練習して、お呼びがかかればいつでも活躍できるように万全の準備をして初めて、チャンスを活かす権利が生まれるのだと思います。
これは他の仕事でも同じ事で、「自分のやりたい仕事ができない」「上司が評価してくれない」と腐るのではなく、いつ自分にお呼びがかかっても大丈夫なように、先を見据えて日頃から自分を磨いてチャンスに備えておくことが大事なのではないかと思いました。
「自分のやるべきことは、チャンスに備えてしっかりと準備しておくことだ」と分かっていれば、ブレずにすむのかもしれませんね。
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齋藤孝
光文社 2008-11-21 おすすめ平均 |