斎藤一人さんの著書、「ツイてる!」を読んだ。
斎藤一人さんについては以前の記事で簡単に紹介したが、やはりというべきか、不思議だなと思いつつも共感してしまう、そんな内容の一冊だった。
著者は自分の成功の秘密について語るのだが、その秘密を「ツイていただけ」だと言い切るのである。
私が特に気に入ったのは、「第三の目」の話と、「100%自分の責任」という話だった。
悩んでいたり怒っていると、眉間にシワが寄り、口がへの字に曲がってしまう。
こんな顔つきをしていると、眉間にある「第三の目」と呼ばれる目が閉じてしまうのだ。
別に天津飯ではない。
著者が言うには、この「第三の目」というのはいろいろなものを見渡せる目で、ここを通じて得た情報からいいアイディアが生まれてくるのだそうだ。
だから、眉間にシワを寄せていると目が隠れてしまい、ロクでもないことしか思いつかなくなってしまう。
私の場合、笑顔で、上機嫌でいるときは心に余裕が生まれ、視野が広くなる。
こういうときに楽しい発想、アイディアが出てくる。
逆に不機嫌なときは目が曇ってしまい、周りがよく見えず、つい「ロクでもないこと」を言ったり考えたりしてしまいがちだ。
こういうときは物事がうまくいかない。
著者はそういうことを、「第三の目」という絶妙な表現で言い表しているのだろうか。
また、「100%自分の責任」という話では、男運のない女性を例にあげている。
素敵な男性とめぐり合って結婚するも、男性が浮気して離婚する。
こんなことを何度か繰り返している女性がいるとする。
そんな時、「自分は男運がないんだ」と考えるのではなく、「100%自分に責任があるんだ」と考えると、物事が好転し始める。
例えば結婚してからおしゃれを怠り、魅力のない女性になってしまっていたとか、店屋物ばかり食べさせて旦那さんを辟易とさせていたとか、自分の改良すべき点がわかり始めてくる。
そこを改良すれば男性は浮気しなくなり、問題は解決するのだそうだ。
要するに、人のせいにして悲劇のヒロインで終わるのではなく、自分が変わることで現実を変えるのだ。
さて、一冊を通して読み、私は一つ考えたことがある。
それは、著者はどこまでも楽観主義であるということだ。
それを象徴するような著者の言葉が、「困ったことは起こらない」である。
これは問題は起こらないということではない。
何か問題が出てきたときに「どうしよう困った」と否定的に考えるのではなく、「よし、これは自分が成長するためのチャンスなんだ」と肯定的にとらえるのだ。
そうして、まるでゲームをするかのように、問題を楽しみながらすいすいと解決してしまう。
問題が起こっても「成長のチャンスだ、ツイてる!」と考え、「100%自分の責任」という立場から自分を変えることで周りも変えてしまい、常に第三の目を大きく見開き、広い視野に映るものを楽しみながら、頭は楽しいアイディアでいつもいっぱい。
そんな「斎藤一人」像が私の頭に浮かんできた。
成功というのは、どんな偉大な事業を起こしたとか、どれだけお金を稼いだとか、そういうことだけで定義するものではないのだろう。
自分がいかに恵まれているかを理解し、毎日を楽しみ、日々向上していく人こそが「成功者」なのだと感じた。
ツイてる! (角川oneテーマ21) | |
斎藤 一人
角川書店 2004-08-07 おすすめ平均 |