菊原智明さんの著書、「セールスのプロが教える!相手を思いどおりに動かす超数字術~売上げ・結果が9.7倍アップする数字の使い方」を読んだ。
タイトルだけ見ると誤解されるかもしれないが、本書は数字のトリックを使って顧客を騙そうという類の書ではない。
実際は、うまく数字を利用することで顧客の気を引き、興味を持ってもらい、理解してもらい、印象に残す方法論なのだ。
例えば「すぐできます」というのと「1分でできます」というのでは、後者のほうが具体的でイメージが伝わりやすい。
「すぐ」というのは抽象的で、人によって解釈の幅ができてしまうのだ。
さらに、「1分でできます」というのと「55秒でできます」というのでは、前者は「どうせもうちょっと時間がかかるんだろう」という印象を相手に与えてしまうが、後者はきっちり55秒という印象を与える。
このように文章に数字という具体性のあるものを入れることでイメージが湧きやすく、理解しやすいのに加え、「55秒」のようなちょっとした工夫・テクニックを用いることでよりインパクトを与えることもできる。
また、この数字術は営業の場面だけでなく、自分にも活用できる。
例えば資格を取得しようと思ったとき、漠然と「この資格を取るために今日から勉強するぞ」だけでは具体性がなく、何をいつまでにやればいいのかも不明であるため、いまいちモチベーションが出てこない。
しかし明確に「何月何日に資格を取る」と期限を定めれば、そこから逆算して一日一日の計画に落としこめ、より具体性がましてモチベーションも出てくる。
他にも漠然に「営業の成績アップ」ととなえるよりも、「営業の成績1.2倍」という、より具体的な目標を定めたほうがやはりイメージが湧きやすく、モチベーションにつながりやすい。
本書で紹介されているものは簡単ですぐ実行できるものばかりなので、すぐ成果を出したい人にお勧めだと思う。
以下、私用メモ
●漢字とひらがなと数字の割合に注意
●適度に改行して文章を見やすく
●端数まで示したほうがリアル感が伝わる場合がある
●抽象的な内容は3つ、専門的な内容は15
●限定には裏づけが必要
セールスのプロが教える!相手を思いどおりに動かす超数字術~売上げ・結果が9.7倍アップする数字の使い方 | |
菊原智明
フォレスト出版 2008-06-20 おすすめ平均 |