営業としてお客様の問題解決のお手伝いをするに当たり、解決策のアイデアを出せるかどうかはとても重要なポイントです。お客様もネットや雑誌、セミナーなどで日頃から情報収集をされており、中途半端なアイデアでは太刀打ち出来ません。では、優れたアイデアをどうすれば生み出せるのでしょうか?
1.スキーマを養う
スキーマとは人が情報を認知するときに使う思考の枠組みのことで、この枠組に一致する情報を人は認知しようとします。例えばサッカーの戦術を熟知している人であれば、監督の采配一つを見ただけで、その裏にある意図について深く思考を巡らすことが出来ます。しかし素人では、「攻撃的な布陣にするためかな?」とか、「守備固めかな?」程度の発想しか出ないでしょう。
要するに、その分野について経験し学んできた人は、そうでない人と比べて、同じものを見ていてもまったく違うものを見ているかのように、入ってくる情報や気づきが異なるのです。優れたアイデアを出すためには、豊かなスキーマを持つことが必要なのです。
2.スキーマを比較する
豊かなスキーマを持つと行っても、それは一朝一夕で身につくものではありません。自分自身の経験や学びに根ざすものですから、長年の蓄積が大きな差となってあらわれます。これからスキーマを養いたいという人は、自分のアウトプットの質を客観的に評価するために、他の優れたアウトプットと比較してみましょう。その差分を自分にたくさんインプットすることが、成長につながります。
例えば、まずは人に聞かずに自分で提案書を書いてみて、その後に優秀な人が書いたものと比べてみる。読んだ本についての自分のアウトプットと他人のアウトプットに触れ、自分の読書レベルを知る。自分と他人のアウトプットを比較することで、少しずつスキーマを増やしていきましょう。
3.現場を「あるく、みる、きく」
アイデアで差をつけるために欠かせないのが、情報の鮮度と確証性です。なるべく鮮度のよく確証性の高い情報を集めるために、一次情報を得るようにしましょう。
一次情報を獲得するには、現場に赴き、「あるく、みる、きく」ことです。そのなかで自分のアンテナに引っかかった発見や疑問こそが、アイデアの種になることが多いのです。
IDEA HACKS!2.0 | |
小山 龍介 原尻 淳一
東洋経済新報社 2011-12-09 |