山田玲司さんの著書、「非属の才能」を読んだ。
●「空気が読めない奴」と言われたことがある
●まわりから浮いている
●「こんな世の中おかしい」と感じている
●本当は行列なんかに並びたくないと思っている
●のけ者になったことがある
こんな人には「非属の才能」がある。
なぜならば、才能というものはどこにも属せない感覚の中にこそあるからだ。
しかし、群れの掟に従い、自分を周囲に同調させてしまうと、人と違う自分だけの感覚、自分だけの才能がすり減ってしまう。
「みんなと同じ」という価値観に染まってはならない。
これが著者の主張である。
本書を読んで私は、「人と異なることをすること」ではなく、「自分の価値観や考えを信じること」に本質があるのだと感じだ。
なぜならば、人と異なることそれ自体は何も価値を生まず、その「異なる部分」から新しい価値を生み出して初めて意味があるからだ。
例えば、集団行動の際にみんながこうしようと言っているときに、自分はみんなとは違う道を行くといってそれを拒絶する人は単なる協調性のないわがままな人間に過ぎない。
「こうしたほうがよりいいのではないか」と対意見を出し、周囲に自分の考えのほうがなぜ正しいか、よりよいかを伝えることができて初めて新しい価値を生み出せる。
よって、大事なのは人と異なることではなく、人と異なる自分の本当の姿を信じて、それを周囲にも理解してもらうことなのだ。
ここで問題になってくるのが、周囲の圧力だ。
「これが正解」「これがふつう」「これがあたりまえ」「これが常識」という同調を求める環境が世の中には蔓延している。
「なぜ?」と聞いた際に「それが常識だ」と言う答が返ってきて、イライラしたことがないだろうか。
ここで周囲の圧力に負けて楽な道を選んでしまってはだめだ。
自分の意見を曲げるのは、相手の意見のほうが正しい、またはよりよいと自分が納得した場合のみだ。
「あたりまえ」とか「常識」がすべて正しければ、健康に悪いうさぎ跳びをやらされることもなかっただろうし、昔はできないことがあたりまえで常識だったことを可能にしてしまった発明は何度も繰り返されている。
自分の声に従う勇気を常に持っていたい。
「Follow your heart.」
―Steve Jobs
「行列に並ぶより、行列に並ばせてやろうじゃないか。」
―山田玲司
非属の才能 (光文社新書) | |
山田 玲司
光文社 2007-12-13 おすすめ平均 |