柳澤賢仁さんの著書、「オカネとウソの論理学 -嘘とお金のさじかげんがわかる、法律と会計の本」を読んだ。
なぜ嘘をついてはいけないのか?
なぜお金を儲けてもいいのか?
本書はこの2つの問題に対して法律・会計の面から迫った一冊だ。
極端に言えば、嘘には「ついてもいい嘘」と「ついてはいけない嘘」があるのではないかと思う。
そしてついてはいけない嘘は、社会性の面と個人の面とにそれぞれ理由があると思う。
社会的に見てまずい嘘とはどんな嘘かと言うことは、社会のルールを守ったかどうかに集約される。
日本では自由市場の立場を取っており、そこには定められたルールがあり、それにのっとっている限り人々は自由な競争を許され、富を築くことが保障され、様々な権利を得られる。
偽装や不正が問題となるのは、それがルールを無視したフェアプレーに反する行為だからだろう。
誰もがルールを平気で破るようになれば社会は混乱に陥る。
社会から様々な恩威を与えられながら、社会に損害を与え裏切ることは許されないのだ。
個人の面ではまず、自分の正義に反するような嘘をつくことで、自分の人間性に100%の自信がもてなくなるということがある。
そうなるとどんどん正義を守ろうと言う意欲は薄れ、そういう人からはツキも逃げていく。
また、自分の弱さや愚かさに対して嘘でごまかすのも良くない。
それらと向き合い、自分が納得できる形で改善するなり折り合いをつけるなりしなければ、結局は前に進めないし自分のためにもならない。
お金儲けに関しては、どんどん儲けていいに決まっている。
お金儲けが悪いことのように言う人は、個人の人間性の問題をお金の問題にすりかえているか、妬んでいるかのどちらじゃないかと思う。
オカネとウソの論理学 -嘘とお金のさじかげんがわかる、法律と会計の本- | |
柳澤 賢仁
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