岡野雅行さんの著書、「人生は勉強より「世渡り力」だ!」を読んだ。
岡野さんと言えば痛くない注射器で有名だが、自身の成功にとって技術力と同じくらい「世渡り力」が重要だったと言う。
言い換えれば「人と情報のマネジメント力」である。
例えば優れた技術を開発したとしても、それが世の中でどれだけ需要があるのかという情報がなければ、適正な値段が自分でつけられなくなる。
だから取引先の大企業の顔色をうかがったりしないといけなくなる。
また、そもそも「今後こういう技術が必要となる」「あの企業がこの技術を高く買い取る準備がある」という最先端の情報が入ってこなければ、どこに資本を投入すればいいかの判断を誤ることになる。
そして、そういう情報と言うものは、人との付き合い、しかも最先端の情報を持っている人(大企業)から得られることが多い。
だから、チャンスは人が運んできてくれるものなのだ。
しかし、普段から人付き合いが出来ていない人では、人と一緒にチャンスは素通りしてしまう。
だからこそ、普段からどれだけ人付き合いにお金を使っているかが勝負なのだと著者は言う。
本書には著者が実際にどのように人と付き合ってきたかの実例が紹介されているが、「たかが下町工場」となめてかかってくる大企業に自分を安売りしないためどう頭を使ったか、義理人情を欠いた対応をしてくる相手をどうあしらってきたかが分かり、非常に面白い。
もちろん根本には、誰にも出来ない仕事をしているという強みがあるのだが。
世渡り力ってのは、こすっからく生きていく、安っぽい手練手管なんかじゃないぞ。人間の機微を知り、義理人情をわきまえ、人さまにかわいがられて、引き上げてもらいながら、自分を最大限に生かしていく”総合力”なんだよ。
以下、自分用のメモ
●商売の一番のポイントは、他人を儲けさせること
●ツイてる人間とつきあう
●自分の可能性を広げたければ、大法螺を吹いて自分を追い込め
●中途半端を突き抜けるには演出をみにつけること
●誰かが認めてくれるのを待たずに、認めさせるために、人脈でもコネでも何でも使ってアピールする
人生は勉強より「世渡り力」だ! (青春新書インテリジェンス) | |
岡野 雅行
青春出版社 2008-06-03 おすすめ平均 |