谷原誠さんの著書、「するどい「質問力」! 図解問題を1秒で解決する」を読んだ。
「質問力」は、あなたの人生を決定づけます。
質問する能力は、あなたの人生に大きな力となる一方で、その質問がするどいかナマクラかで、全能力が相手に見抜かれてしまうのです。
(中略)
この「するどい質問の力」を知って、上手に使うことができる人が、ビジネスにおいても、人生においても思い通りにできる人になれるといっても過言ではありません。
これは本書の冒頭の言葉だが、確かに質問力にはそういう面があると思う。
ただ、するどい質問力があるから優秀になれるというよりは、そもそも優秀だからこそ気のきいた質問もできる、という部分もあると思う。
なぜなら、質問力とは小手先のテクニックだけで成り立つものではなく、話の重要な部分を見極める「本質力」も同時になくてはならないものだからだ。
例えば冒頭に、その質問がするどいかナマクラかで全能力が見抜かれてしまうとあるが、いくら小手先の質問テクニックを身につけたところで、話の本質が見抜けていなければ、そこにするどく切り込んだ質問はできっこない。
どうでもいいところに切り込んだ質問をしても、「こいつは分かってないな」を思われてしまうだろう。
また、「本質力」とは本を読んでテクニックを学べば身につくようなものではなく、本を読んだり、頭を使って物事を考えてみたりと、日ごろの行為の積み重ねでしか身につかない。
なので、「するどい質問力」とタイトルにあるのに、重要な「本質力」については触れられていないのはちょっと残念だった。
が、質問のテクニックについては分かりやすく解説されているので、そちらを求める人にはお勧めだ。
以下、私用メモ
●5W1Hで明確な質問の形を作る
●相手の意思で自由に話してほしいときは「オープン・クエスチョン」、こちらが聞きたい事だけを話してほしいときは「クローズド・クエスチョン」
●まずは相手に関心を持ち、相手に関する知識を仕入れて、相手に好意を持つ
●人が好意を寄せる要因
・外見
・類似性
・賞賛
・単純接触効果
・連合
●いきなり核心をつく質問がしづらいときは、ワンクッション入れる、質問をする「承諾」をもらうための質問をする
●質問を投げかけ、相手に考えさせ、自ら答を出させることで、両者納得の上で合意が得られる
●言質をとると、相手は自分の発言に縛られ、その言葉と矛盾する行動が取れなくなる
するどい「質問力」! 図解問題を1秒で解決する | |
谷原 誠
三笠書房 2008-05-23 おすすめ平均 |