平野敦士カールさんの著書、「1の力を10倍にする アライアンス仕事術」を読んだ。
何かいいアイディアを思いついても、なかなか一人の力ではそれを実行に移すのは難しいものだ。
そんなときに人を巻き込み、周りの力を借りてそれを果たしていこうと言うのがアライアンス・仕事術である。
本書は著者が実際にお財布ケータイを実現させた経験から、どうすれば周囲から助けてもらえ、一人ではできないようなことを実現できるのかを解説している。
根底に流れる考え方は以前読んだ人脈術の本と共通するものが多かったが、個人的に興味を引いたのは、アイデアを人に話すことでそれを膨らませていくという考え方だった。
いろいろな考え方の人がアライアンスに加わっていくことで、自分が持っていた固定観念が崩れ、新しい発想ができるようになるのだ。
著者もお財布ケータイを一人で発想した段階では、財布の中にたくさんあるカードを全て一つのカードにまとめたら便利ではないかという思いでしかなかったという。
そこからクレジットカード会社の人に話を聞いたり、クレジットカードの支払い端末を設置している小売店などからヒアリングすることを通してアイデアを膨らませていき、全てをケータイで処理する「お財布ケータイ」に行き着いたようだ。
ここで重要なのは、誰かにアイデアを否定されたからといってすぐにあきらめないことだ。
著者も、NTTドコモに勤めて当事の上司に「財布の中にたくさんあるカードを全て統一したら便利にならないか」と相談したところ、新たにクレジットカード分野を開拓するのも難しいからと断られたそうだ。
しかしそこであきらめず、どうすればこのアイデアを実現できるのかを一人ではなく、周りの人たちの力を借りながら膨らませていき、実現性のある、人びとを納得させるプロジェクトに発展させたのだ。
アライアンスを広める仕組みを、意識して日常に取り組む必要がありそうだ。
1の力を10倍にする アライアンス仕事術 | |
平野敦士カール
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