パコ・アンダーヒルさんの著書、「なぜこの店で買ってしまうのか―ショッピングの科学」を読んだ。
小売業界に勤める人にとって、本書は必読書ではないだろうか。
本書は徹底したフィールドワークをもとに、どのような店舗設計や商品陳列、販売促進計画が顧客の行動パターンや思考に合致するのかを、豊富な事例とともにまとめあげたものだ。
調査によると、どうやら買い物客は、
●店にいる時間が長くなるほどたくさん購入する
●その場が快適で楽しいほど店内に長く滞留する
ようだ。
また、すべての人間には共通した生理的、解剖学的な能力と傾向と限界と欲求がある。
つまり、店の収益性を改善したいのであれば、買い物客のこうした特長に合わせた店舗設計や商品陳列を行い、快適な空間を提供することで、長く店内にとどまってもらえばいいわけだ。
実際の店舗を見てみると、店側の勘違いや偏見によって、買い物客に適合したつくりとは言えなくなっていることが多くある。
本書で解説されているちょっとしたことを取り入れるだけでも店舗を快適にし、収益性をあげることはできるはずなので、小売業界に勤める人は一度読んでみてはどうだろうか。
ただし、本書はかなり長い…。
なぜこの店で買ってしまうのか―ショッピングの科学 | |
鈴木 主税
早川書房 2001-02-22 おすすめ平均 |