天野雅晴さんの著書、「自分をグローバル化する仕事術」を読んだ。
本書はシリコンバレー在住30年、Global Vision Technology,Inc.CEOの著者がシリコンバレー式(グローバル式)の仕事術を解説したものです。
単一民族である日本と、多種多様な文化や思想が根付くシリコンバレー(アメリカ)の風土の違いに立脚しているのが特徴で、理解しやすいです。
今までは通用していた「単一民族主義」の日本の仕事術。
しかしグローバル化が進むにつれ、おそらく今までのやり方では限界が訪れ、いずれ「多民族主義」のやり方を取り入れざるを得なくなるのではないか。
そこで今後グローバルで通用する仕事術を日本人は身につける必要があるのだと、本書は述べています。
私が特にこれは日本にも取り入れるべきだと感じたのは、大きく分けて以下の3つでした。
コミュニケーション編
●自己主張する
・自分の言い分を相手に押し付けるのではない
・お互いのアイデンティティを知ることが目的(グローバル化すると日本人の「察する」文化は通じない)
・自分が求めるものをはっきり主張しないと、相手に理解されないし、無視される
・強い口調ではなく、ゆったりと、時にはユーモアを混ぜて
・単刀直入に
●対峙姿勢は対等
・上司も部下も対等
・フェアにコミュニケーションする
自立編
●周囲の人がどう思うかでなく、自分がどう思うかで判断し、行動する
●ダラダラ考えず、直感を元に即断即決する
●いつでも緊張感を持って、自分を磨き続ける
自分ブランド編
●何をすれば自分を差別化・独自化できるかを戦略的に考える
●何でも出来るジェネラリストは評価されない
●自分をアピールするための長所を磨き、特別な存在になる
こうしてみると、グローバル云々は関係なく、日本の中でもデキる人は既に実践しているものが多いのではないでしょうか。
何でもかんでも欧米のやり方を取り入れるのは、相手に都合の良い競争ルールを飲まされるようでいい気はしません。
しかし、日本文化のいいところは残しつつ、多民族主義仕事術のいいところを自分たちに合わせて取り入れる分には問題はないはずです。
本書を通して、どのように自分を「グローバル仕様」にしていくのか、是非考えてみてください。
自分をグローバル化する仕事術 | |
天野 雅晴
ダイヤモンド社 2008-08-29 おすすめ平均 |