山口楊平さんの著書、「デューデリジェンスのプロが教える 企業分析力養成講座」を読んだ。
本書は企業の本質を見抜く9つのポイントを通して、将来予測を含めた企業の本当の価値を知るための一冊です。
企業を精査し、その本質的価値を見抜く作業を、M&Aの世界ではデューデリジェンス(企業精査)という。これに対し、企業の妥当な価格を算定する作業をバリュエーション(企業価格評価)という。
資産運用を行う上で私たちが知りたいのは、当然「将来の結果」ですが、実際に与えられるのは「過去の結果」だけです。
将来の結果を見抜くためにはまず過去の結果をもとに、それがどのような事業構造によって生み出されたものなのかを分析し、その事業構造が今後どのように変化するのかを洞察する必要があります。
この分析と洞察をあわせるとデューデリジェンスとなり、それをもとに将来の結果を予想することをバリュエーションと言うのです。
本書では、デューデリジェンスとバリュエーションを行う上で役に立つ、
●収益構造
●資本価値
●事業構造
●競争構造
●市場構造
●社会動向
●マクロ経済
●資本市場
●資本政策
という9つのフレームワークを、それぞれケーススタディの形で解説しています。
●投資を見すえて企業を分析する場合、その会社の成果配分の構造を考えることが必要である
●アセットを持つ不動産ビジネスは、そのアセットの時価を計算し、割安かどうかを判断することが重要
●少ない資産でたくさん利益を出している企業が、結果としてたくさんのキャッシュを稼ぐ
●小売業の競争の本質は「スケールの追求」にある
●株式市場では、短期での株価の浮き沈みは激しいが、長期で見ればその企業の株の価値に収れんしていく
など、ざっとあげただけでもいくつかのヒントはありましたが、やはり全体的に見ると素人の私にはまだまだ理解の及ばない部分も多かったです。
まずは一冊、入門書を読んだほうがよさそうですね。
デューデリジェンスのプロが教える 企業分析力養成講座 | |
山口 揚平
日本実業出版社 2008-10-09 おすすめ平均 |