君を幸せにする会社 | |
天野 敦之
日本実業出版社 2008-09-11 おすすめ平均 |
天野敦之さんの「君を幸せにする会社」を読みました。
本書は人が幸せになるために必要な二つのものについて、物語形式で語ったものです。
昨今の上場企業においては四半期ごとに利益を出すことが求められます。
しかし、
企業が利益を増やせば株主はうれしいかもしれないけど、お客様も社員も経営者も幸せじゃない。
それどころか、トラ助やヒョウ吉をみていると、利益を増やそうとすればするほど社員が不幸になっている。
「僕はプー太を、単に使えるかどうか、利益に貢献しているかどうかだけで見ていた。こんなすばらしい心の持ち主であることに、まったく目を向けていなかったんだ」
「利益は創造した本源的価値の対価である」
私たちは常にこのことを覚えておく必要があると思います。
本源的価値とは、お客様を幸せにし世の中をよりよくすることです。
つまり、企業の利益はお客様の幸せの対価だということです。
お客様の幸せのために働く、とても素晴らしいことだと思います。
しかし、それは自分の幸せを犠牲にしてなせることではないと思います。
先日のChabo!セミナーで神田昌典さんが「自分の幸せを日本の幸せ、そして世界の幸せにまで広げて考える」とおっしゃっていましたが、やはりまずは自分が幸せでなければ、人に幸せを伝えることなど出来ないと思います。
では、自分の幸せとはどこにあるのでしょうか。
しかし幸福は外に求めるものではなく、幸福は自分の中にあった。
幸福の源は身の回りにあふれていて、そこに意識を向け感謝できるかどうかの違いだけだったのだ。
自分たちは生きているだけで幸せであること、すべてが感謝の対象になること、競ったり比較したりすることから自由になることでつねに感謝の心を持てること、ものごとにはつねに二面があり、感謝することでいい面が見えること、そして自分自身を幸福で満たし、相手の幸福を願う愛がもっとも大切であること。
周囲の期待、見栄やプライド、失敗することの恥ずかしさと恐怖、こういった「本当は重要でないもの」をすべて捨てて、自分にとって本当に大事なものは何かを考えたとき、実はそれらのほとんどは既に持っていることに気がつきます。
そういったものへの感謝を忘れずに、人との比較ではなく、自分自身が日々成長することを大切にすれば、私たちの心は豊かになれる、ということではないかと思います。
大切なのは、愛と感謝です。
心理はきわめてシンプルなのです。
私は著者の天野さんが1975年生まれというのを知って、びっくりしました。
33歳にしてこのようなメッセージを世の中に発信できるというのは、素晴らしいことだと思います。
「出版は個人にとって究極のIPO」という本田直之さんの言葉を聴くと、それだけで自分も出版したいなと思ってしまいます。
が、やはり出版することそれ自体には何の意味もないと思います。
何か世の中に伝えたいメッセージがあって、また、それを語るだけの資格が自分にあってはじめて、出版することの意義が出てくるのだと思います。
利益を上げるにしても、出版するにしても、その本質的意義はどこにあるのかを見失わないよう、「愛と感謝」の気持ちを忘れずにいたいですね。
余談ですが、ダンベルでの筋トレを日課にしてからもうすぐ3ヶ月がたちますが、筋力の増加で体重が3kg以上増えています。
成果が出ているようです。
ただ、あんまり極端に体を大きくするとせっかく購入したスーツが入らなくなりそうですが…。
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天野 敦之
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