小倉昌男さんの『小倉昌男 経営学』を読みました。
本書は神田昌典さんが『10年後あなたの本棚に残るビジネス書100』にてプッシュしていた一冊ですが、なるほどこれは確かに経営戦略の教科書です。
私は、経営者には「論理的思考」と「高い倫理観」が不可欠だと考えている。
経営は論理の積み重ねである。したがって、論理的思考ができない人に、経営者となる資格はない。
本書は以前のトラック運送事業が立ち行かなくなり、このままではいよいよ終わりだという状態に陥った経緯、そこから宅急便という新しい業態を生み出し、大企業になるまでの道のりが、当事の小倉さんの胸中の思いを交えながらイキイキと描かれています。
宅急便と意う新しい業態を創案し、需要がどれほど見込めるのか、どうすれば損益分岐点を越えられるのかと、ビジネスモデルを確立していく様はまさに論理思考の積み重ねです。
この一連の戦略立案の生きたお手本は、起業する際や新規事業を立ち上げようというときに非常に参考になると思います。
また、経営戦略のみならず、小倉さんの経営者としての優れたマインドを学べるのもポイントです。
宅急便という新しい業態について同業他社がこぞって儲からないと判断し、また、内部でも役員が総反対するという状況で見方を増やしていく様子。
倫理観が欠落している顧客とはたとえお得意さまで会っても取引を解除し、また、必要であれば行政にも挑んでいく自立の精神。
しがらみが多い中で自分の信念を貫く強さは、経営マインドのお手本といえるものだと思います。
様々なツールを駆使した経営学・戦略立案系のビジネス書は多くあるものの、本書のように実際の生きた事例を通して学べるものはかなり貴重だと思います。
神田さんは「毎日10分音読して読むべき」とおっしゃっていますが、確かにこれは自分が小倉さんになったつもりで、マインドの動きを追うように読むのが効果的だと思いました。
本書は本棚に残しておいて、また時期が来たら読み返したいと思います。
2 Comments
この本はいろんな方が推薦していますよね。
僕も持っているのですが、そろそろ読んでみようかと思います。
マックさん
恐らく起業するときに非常に参考になる内容だと
思いますよ。
まさに経営者としての「信念」が感じられる一冊ですし、
マックさんにぴったりではないかと!