みんなで考えよう 世界を見る目が変わる50の事実 | |
朝倉 めぐみ 酒井 泰介
草思社 2007-04-24 おすすめ平均 |
今日は「ひとり『ディスカヴァーさんありがとうキャンペーン』」を開催中のぼってぃーさんのブログにて紹介されていた、『みんなで考えよう 世界を見る目が変わる50の事実』を読みました。
本書は、50の切り口から私たちの知らない世界の本当の姿を教えてくれる一冊です。
これからいくつか紹介していきますが、扱われている内容にはかなりショッキングなものも多く、私たちがどれだけ恵まれているかということに改めて気づかされます。
ボツワナという国の赤ちゃんは34歳までしか生きられない。
インドのある地区では、赤ん坊に熱くてからいチキンスープを飲ませたりする。もちろん死んでしまう。けれど親は事故だって言い張るそうだ。
1日の生活費が1ドル未満、1ドルを116円で計算すると30日で3480円、食費も家賃も入れて、1ヶ月たったそれだけでくらす。想像できるかい?
そういう人が世界に12億人以上、つまり5人に1人いる。食事も満足に取れない。子供たちは学校にも行かずに、働いてわずかなお金をかせぐ。
カンボジアでは国民の236人に1人は手か脚がない。
でもかれらは運がいいほうだ。その倍以上の人が死んでいる。地雷の被害にあったんだ。
(中略)
なにしろ地雷1個の値段はたった400円なのに、それを撤去するにはその50倍の費用と莫大な手間がかかるんだ。
世界の軍事費は1日あたり30億ドル。たった5日分あれば十分にエイズに立ち向かえるのに。
私は、日本は世界一平和な国なのではないかと思っているのですが、悪く言えば平和ボケしてしまっている私たちには想像するのも難しいような事実が、世の中には存在するのだということを本書はつきつけてきます。
しかし、「こうした不平等、不公平をなくし、格差を解消したほうがいいに決まっている」といわれると、正直な話をしてしまえば、私はあまりそういう気持ちにはなれません。
確かに豊かな暮らしをしている私たちから見れば、本書で挙げられているような地域に住んでいる人たちは不幸に見えるかもしれません。
しかし、それは私たちの暮らしと比較して相対的に幸福というものを考えているに過ぎないとも思うんですよ。
いわゆる貧困層の人たちに対して自分たちの価値観を当てはめ、彼らを「不幸な人たち」だと決めつけて、私たちと同じ暮らしができるように支援することが本当にいいことなのだろうか、と私はどうしても考えてしまいます。
しかし、困っている人たちを手助けすることは、私たちにもできるのではないかと思います。
エイズで困っていて、できれば治療したいと考えている人がいる。
地雷の恐怖に、いつも悩まされている人がいる。
そういう人たちの悩みに対して、私たちが手助けしてあげれば、彼らは喜ぶはずです。
大義名分はなくても、隣人に手を差し伸べるような感覚で私たちが彼らのことも考えられるようになれば、もっと自然に彼らを助けることができるのかもしれません。
もっと彼らのことを身近な存在として感じられるように、まずは現地を訪れて自分の目で直接見てみるのが、一番かなと思いました。
みんなで考えよう 世界を見る目が変わる50の事実 | |
朝倉 めぐみ 酒井 泰介
草思社 2007-04-24 おすすめ平均 |
2 Comments
キャンペーンの紹介&ブログの紹介ありがとうございます!
この本、ショッキングな内容が多いですよね。
TAKUさんの意見とは違うのかもしれませんが、
たしかに、物質的な面を見て、不幸、と考えるのはおかしいですよね。
もし、物質的に恵まれているだけで幸福になれるのなら、
なぜ世界第二位の経済大国であるはずの日本で、苦しんでいるひとが多いのか。
本来なら、衣食住の心配をする必要がないだけでも、
すごく幸せなことですよね。
なので、先進国の考えを押しつけるのはどうかと思います。
しかし、それとは別にエイズや地雷などは根絶すべきものですよね。
現地を訪れる。それが一番ですよね。
実際に体験しないと、どうしても他人事として考えてしまいます。
まとまりがない文章で、すみませんでした。
ぼってぃーさん
ショッキングですが、読んでおいてよかった一冊でした。
衣食住の心配をする必要がないだけでも本来なら幸せなこと、まさにその通りですよね。
でも現実にはそれでも苦しんでいる人が、確かにいる。
幸福というのは、人の精神のなかに見出すものなのかなと思いました。
だとしたら、数字や統計だけを見て人の幸不幸を決めるのは良くなく、
やはり自分の目で確かめる必要があるのだなと感じます。
近々行ってみたいですね!