進化するグーグル (青春新書INTELLIGENCE) | |
林 信行
青春出版社 2009-01-07 おすすめ平均 |
林信行さんの『進化するグーグル』を読みました。
●1流シェフが腕を競う社員食堂(無料)
●託児施設(無料)
●24時間使えるスポーツジム(無料)
●1利用流水プール×2(無料)
●マッサージルーム(無料)
●ビーチバレーのコート数面(無料)
●洗車サービス(無料)
●囲碁、将棋、中国将棋、オセロ、モノポリー、ビリヤード代、ダーツの的のある休憩ルーム(無料)
●社内で調理ができるマイクロキッチン(無料)
●オフィスの装飾は自由で、おもちゃで囲まれている人もいる
「これが本当に企業なのか!?」と思われる人も多いと思います。
でも企業なんです。
「これで利益なんて出るわけがない!」と思われる人はもっと多いと思います。
でもGoogleならできるんです。
Googleというと検索サービスの会社くらいのイメージしかない人もまだまだ多いと思いますが、そういう人が本書を読めば、Googleという企業の真の姿、その野望の大きさに衝撃を受けると思います。
グーグルは、「ラーメンからミサイルまで」と言われた日本の総合商社ですら到底追いつけないほど幅広い事業を手がけている。一見すると支離滅裂で、およそまとまりがない事業内容だが、じつはすべてのサービスは、ある1つのシンプルなルールに基づいている。「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること」
上記のような福利厚生は当然魅力的なのですが、「超エリート」といわれる人たちがGoogleに集まるのはこうした福利厚生が目当てなのではなく、Googleが「自分のやりたいことができる職場」であることが本質なのです。
Googleでは就業時間のうちの20%を、自分の好きな研究に費やすことがルールとされています。
また、Google社内の壁にはあらゆるところにホワイトボードがあり、そこには社員が自由に書いた、Googleの将来の夢が集まっています。
こうした環境から既に多くの製品が登場しているわけですが、実際に製品化されたもの以外にも例えば「月面基地」とか「太陽系の惑星を結ぶネットワーク」といったまさに夢のような企画もあります。
これを日本の企業、というよりGoogle以外の企業で言ったとなるとどうなるでしょうか。
「何を馬鹿なことを言っているんだ。自分の仕事に集中しろ。」といわれるのがオチでしょう。
しかし、それがGoogleでとなると「もしかしたらできるんじゃないか?」と思わせてしまうのです。
もうこれは「チャンスを育む」とか「発想を大切にする」といった次元ではありません。
超エリートたちが持ち寄った「ありえない」夢を、そのまま仕事にしてしまう企業なのです。
本書はいい意味で私たちの働くことに対する常識を破壊してくれる一冊です。
ユーザの心の中を検索する「Google MentalPlex」、月面基地の人材募集、恋人検索ができる「Google Romance」といった「毎年恒例のエイプリルフール集」や、海岸から10kmほど離れた沖合いにデータセンターを置く計画など、読み進めるほどGoogleの魅力に圧倒され、読んでいてあきません。
読み物としても面白いので、是非読んでみてください。
本書は青春出版社の川崎隆昭さんより、献本いただきました。
川崎さん、ありがとうございました。
進化するグーグル (青春新書INTELLIGENCE) | |
林 信行
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