母性の経営 | |
久野康成
出版文化社 2009-06-11 おすすめ平均 |
久野康成さんと井上ゆかりさんの『母性の経営』を読みました。
リーダーシップには、2つのタイプがあると言われています。一つは目標達成にこだわる父親型リーダー。もう一つは組織の協調性を重視する母性型リーダーです。
本書はこの父親型リーダーシップと母性型リーダーシップの違いや重要性を、物語形式でわかりやすく解き明かしています。
リーダーや経営者の立場になるとどうしても顧客視点から物事を考えがちになります。
それは非常に大事なことなのですが、しかし顧客視点に偏る余り社員視点を忘れてしまうと、いわゆるギスギスした職場が生まれてしまうことになります。
ビジョンを語っているのになかなかメンバーが参加意欲を持ってくれない、目標を与えているのになかなかコミットしてくれない。
そんな悩みを持っている方は本書を読むと、ヒントが得られるかもしれません。
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● おもりをはずす
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社員を上に引き上げるためには、ビジョンや目標設定といった『風船』をつけて高く引き上げる方法と、話を聞いて不安感をなくすといった『おもり』をはずす方法があります」
先ほど述べた、ビジョンを語っているのに参加意欲を持ってくれない、目標を与えているのにコミットしてくれないというのは、要するに『風船』をつけているのです。
高く飛ぶためには風船の浮力が必要です。
しかしいくら風船をつけてもおもりが付いたままでは、人は高く飛ぶことが出来ません。
自分自身をマネジメントできる優秀な人は風船を付けてあげるだけで高く飛べるかもしれませんが、そうではない人におもりがついたままいくら風船をつけようとしても、上手く飛ばないのです。
人を高く飛ばそうと思うならば、風船を与える父親型リーダーシップに加えて、社員の不安や悩みを解消し、おもりを外してあげる母親型リーダーシップが必要なのです。
この父親型リーダーシップと母親型リーダーシップの違いは、要するに顧客視点中心で考えるか、社員視点中心で考えるかの違いだとも言えるのですが、私はどちらかと言うと父親型リーダーシップの考え方に偏りがちだと思うので、本書は良い気づきになりました。
本書は株式会社コンサルティングファームの普光江玲奈様よりいただきました。
ありがとうございました。
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久野康成
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