才能を引き出すエレメントの法則 | |
金森 重樹
祥伝社 2009-07-28 おすすめ平均 |
ケン・ロビンソンの『才能を引き出すエレメントの法則』を読みました。
エレメントとは、生まれ持った才能と情熱の合致点である。
つまり本書は、生まれ持った才能と、「何かをやりたい!」「何かが好きだ!」という情熱が重なったところにこそその人が最も輝く場所(≒天職)があるのだと主張しています。
各自がそれぞれのエレメントを発見できれば、社会全体がより高い充足感を得られる。私たちは、一人ひとりが異なる才能と情熱を持っていて、その能力を想像以上に開花させる可能性がある
ここでまず私が気になったのは、
1.才能とは何なのか?
2.才能と情熱は異なるものなのか?
という点でした。
以前読んだMalcolm Gladwellの『Outliers』では、
1.バイオリンの才能とか、サッカーの才能といったものはない
2.バイオリンの得意な学生が、他の人よりも短時間の練習で同等かそれ以上の成長を見せているわけではない
3.結局人より長い時間練習しているから、他の学生よりも上達している
ということが調査・研究結果として主張されていました。
バイオリンやサッカーは身体能力も影響してくるので、確かに持って生まれたモノに依存する部分はあり、そこに関しては「才能」といえると思います。
また、人よりも少ない練習時間でプロになれたとか、一流のプレイヤーになれたとかいう話は聞いたことがなく、結局はどの選手も周囲以上にハードワークを積み重ねてきたのではないかと思います。
そして、そのハードワークを積み重ねてこれたのが「やりたい!」「好きだ!」という情熱のおかげであるならば、確かに「才能」と「情熱」は別物であるといえるかもしれません。
では、例えばパソコン業界ではどうでしょうか。
『Outliers』を読むと、Bill JoyもBill GatesもSteve Jobsも、パソコン釈明期以前の、コンピュータがまだ非常に珍しいものだった時代に、毎日のようにコンピュータに触れることができる環境を「偶然×偶然×偶然×偶然×偶然×偶然」とでも言うべき奇跡のような連鎖を経て与えられていたことがわかります。
「パソコンの才能」というものはなく、コンピュータに対する情熱と、コンピュータに人よりも長く触れられる環境があった、ということが彼らを成功に導いた要因だと結論付けられています。
であるならば、ここでは才能と情熱は区別できるものではなく、「コンピュータが好きだ」という情熱それ自体が才能なのだと言うことも出来るのではないでしょうか。
また、『さあ、才能に目覚めよう』では才能を「強みにつながる資質(=思考や行動の傾向)」としており、その資質に知識や技能を積み重ねることによって強みが築かれるのだと主張しています。
知識や技能がハードワークの量に比例するものだとしたら、そしてそのハードワークを苦に感じさせないのが情熱だとしたら、才能×情熱=エレメントと言えるのかも知れません。
ただ、資質と情熱の線引きは難しいと思います。
例えば私は「未来志向」が最も強い資質なのだそうですが、これは結局未来について考えていることが好きで、だから得意になれるのだということのようです。
結局は「好き」という感情が前提にあるならば、資質とは結局何かを好きになって生まれる情熱なのかもしれません。
なかなか難しいですね。
これについてはもっと勉強してみたいと思います。
才能を引き出すエレメントの法則 | |
金森 重樹
祥伝社 2009-07-28 おすすめ平均 |
日曜から会社の同期3人で1泊2日で旅行に行ってきます。
車で移動し、プラプラ遊んで、夜は旅館でトランプでもして盛り上がろう、
とワクワク作戦会議をしていたのが今週の月曜日。
そして水曜日に同期のmasao君が予約を取ってくれた宿屋が
「東横イン」。
ビジネスホテルかよ!
と突っ込みを入れたのが木曜日。
さすがに旅行でビジネスホテルはないよね、しかも駅前とか、寒いよ、
ってことで改めて作戦会議を開くのが明日。
出発は明後日の日曜日。
大丈夫か?
masao君。
お願いしますよ…
3 Comments
同じ著者の『最高の成果を生み出す6つのステップ』では、
「強み」の特徴の一つに「情熱」の要素がありますよ。
『さあ、才能に目覚めよう』とこの本では、強みの定義が
少し異なっていますね。
『最高の…』の方が後なので、こちらの方が
よりブラッシュアップされた考えかと思われます。
…と考えると、「○○を好きになれる、情熱を持てる」
というのも、強みの大きな要素である「資質」なのかもしれませんね。
旅行の宿、今からだと探すの大変そうですね…。
良い所が見つかると良いですね。
すみません、先程のコメントの補足を…。
『最高の…』をきちんと読み返すと、
著者は「資質」と「情熱」を分けていますね。
「資質」は強みの要素であり、「情熱」は強みを活かせる活動に対して
自然に起こる感情のようです。
(著者は「強みのサイン」と呼んでいます)
このあたりの区分けは、私も考えているうちに混乱してきてしまいました…。
ただ、「各個人によって異なる」という点では
資質も「何に対して情熱を持てるか」も同じですね。
紗織さん
Marcusさんも強みと情熱は分けてとらえているんですか。
「強みを活かしているときに感じるのが情熱」というのと、
「情熱を感じることそれ自体が強み(才能)」というのとでは、
若干解釈が異なりますよね。
何かをしているときに情熱を感じたら、そこに強みが隠されているかもしれないよ、ってことなんでしょうか。
ここら辺をもっと掘り下げたら面白そうですよね。
おかげで脳が刺激されて面白かったです。
で、旅行ですが、何とか宿を見つけられました。
季節外れの長野でパラグライダーしてきまーす!