凡人が最強チームに変わる魔法の営業ミーティング | |
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佐藤昌弘さんの『凡人が最強チームに変わる魔法の営業ミーティング』を読みました。
「1000の売れない原因を突き止めても、売れるとは限らない」
これが事実だとしたら、世にある多くの営業ミーティングは実はあまり意味のない事をやっていることになります。
上司に現状報告をして、問題点を指摘してもらい、改善策を考える、というのがよくある形式ではないかと思うのですが、確かにこれで効果があるなら世の営業マンの成績はとっくに右肩上がりになっているはず。
『たったひとつの売れる理由させ見つかれば、問題は解決する』
問題の原因を1000個もあげるくらいなら、売れる理由を一つ見つけたほうがずっと効果的である。
本書の「魔法の営業ミーティング」とは、このたった一つの売れる理由を見つけるためにあります。
「魔法」というほど画期的な手法ではないと思いますけどね。
本当に優れたアイデアというのは、意外とこれくらいシンプルなものかもしれません。
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● 一人のカリスマに、複数の従者たち
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上司にとって、「うまくいった結果」には、悩みも問題点もなく、それ以上に関わる必要がない
状況が悪いとなると、正反対のことが起こります。
「うまくいっていない部分」については、根ほり葉ほり、情報提供を求めていくのです。
先ほどの主張に照らすなら、これはうまくいく方法を見つけるのではなく、失敗した原因を洗い出している、あまり効果的でないミーティング例ですね。
7月に開催した毎年恒例の新人企画社内イベントは無事終了しましたが、その後の反省会もこれに近いものだったかもしれません。
過去最高の参加者数で、イベントもわりと上手く運び、参加者から「楽しかった、また来る」と言っていただけたり、社長からもお褒めの言葉をいただけたりしました。
イベント後に来年の新人に引き継ぐためにということで反省会があったのですが、うまくいったイベントの重箱の隅をつつくような問題点をみんなで考えて指摘するくらいなら、うまく行った理由をもっと分析してノウハウ化して引き継いだほうがよっぽど意味があると思うんですけどね。
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● 報告・連絡ばかりのミーティング
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「ホウ・レン・ソウ」と言うことがありますが、そのうちの、「報告・連絡」ばかりに時間をかけている営業ミーティングがあるのです。
これは、メールとかで済ませればいいですね。
わざわざ全員で集まってやる必要はないかもしれません。
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● ペナルティとごほうび
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ビジネスの現場では、答えはひとつじゃありません。解法だって決まっていません。特に、営業という部門は、ゴールのない、永遠の試行錯誤を続ける世界なのです。
だからこそ、「何がダメだったのか」を考えるのではなく、「どこがよかったか」という、できた20点に注目して、それを大いに認めつつ、成長をうながすアプローチが効果的なのです。
私は以前アルバイトをしていたときに、職場に入ってきた当事何をやらせてもダメダメで周囲から見放されがちだった新人A君に、
・出来た部分を10倍増しくらいに褒めちぎる
・出来なかった部分は褒めたあとにさらっと指摘して、「次も期待してるよ」と付け加える
ということを実行してみました(教育係も兼ねていたんです)。
するとどうなったか?
出来なかった部分は平均に近づきはしましたが、やはり苦手なままでした。
でも出来る部分では職場の誰よりも一生懸命に取り組むようになりましたし、どんどん上達していき、あるときからは彼がその役割で自他共に認めるNO.1でした。
私はこの経験から、たとえそれが全体の10点や20点に過ぎない、どんなに小さな成果でも、そこに気づき・注目し・励ましてあげれば、誰でも素晴らしい力を発揮できる可能性があるのだということを学びました。
今でもA君には感謝しています。
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