裸でも生きる――25歳女性起業家の号泣戦記 (講談社BIZ) | |
講談社 2007-09-22 売り上げランキング : 561 おすすめ平均 |
山口絵理子さんの『裸でも生きる――25歳女性起業家の号泣戦記
』を読みました。
著者の山口さんの生い立ちから、アジア最貧国のバングラデッシュをビジネスの力で自立させるために「株式会社マザーハウス」を起業した現在までに至る半生を綴った一冊です。
本書を読むと、自分が正しいと思った道を貫くことの大切さに気付かされます。
●「政治家になって日本の教育を変えたい」という思いから、「無駄な努力」と揶揄されながらも偏差値40の高校から慶応大学総合政策学部を受験、合格
●慶応大学で開発学にのめり込み、国際開発・国際協力・国際経済といった分野の中に自分の使命があるのではないかと感じ取る
●米州開発銀行の夏季雇用に合格し、夢の国際機関への切符を手に入れたが、現場を見たこともない人々が政策を作っている姿に違和感を感じとる
●一度現場を自分の目で確かめたいと思い立ち、アジア最貧国バングラデッシュに単身飛び込む。そのまま現地の大学院に入る。
●必要なのは「支援」「援助」といった施しではなく、先進国との対等な経済活動であると確信し、株式会社マザーハウスを設立
本書を読むと、日本では考えられないようなバングラデッシュの腐敗した実態を垣間見ることが出来ます。
そのような土地で現地の人々を雇用しながらビジネスを築くことがどれほど困難を伴うことなのか、私たちには想像すらできないでしょう。
それでも、不安や恐怖を乗り越え、周囲の反対の声を押し切って自分の進みたい道を選べたのはなぜなのでしょうか。
バングラデッシュの大学院に行くと言ったとき、周りは反対した。なんでちゃんと大学まで卒業しているのにそんな生きて帰れるかもわからない場所に行くの。
バングラデッシュで起業しようと決意したときも、周りは反対した。起業なんて、そんなに簡単じゃない。できるわけない。
ただ、そんな周りの声の中、私が拠り所にしたことは、たとえば尊敬する人の言葉でも、素晴らしい本でも何でもなく、自分自身だった。
バングラデッシュの人が自分に問いかけているような気がした。
「君はなんでそんなに幸せな環境にいるのに、やりたいことをやらないんだ?」って。
自分はいったい何をしてきたんだ。他人と比べて一番になるなんてそんなちっぽけなことに全力を注ぎ、泣いたり笑ったり。こんな幸運な星の下に生まれておいて、周りを気にして自分ができることにも挑戦せず、したいことも我慢して、色んな制約条件を自分自身の中だけでつくりだし、自分の心の声から無意識に耳を背け、時間と共に流れていく。
他人にどう言われようが、他人にどう見られ評価されようが、たとえ裸になってでも自分が信じた道を歩く。
それが、バングラデッシュのみんなが教えてくれたことに対する私なりの答えだ。
私は本書を読んで、起業したり、問題解決に取り組んだり、0から1を生み出すような人たちは、やはり自分の心の声をよりどころにしているのだなと感じました。
周囲からの評判や評価を物差しにせずに、自分の内なる声・良心を羅針盤に生きる強さがあるからこそ、たとえ一人になっても道を切り開くことが出来る。
スティーブとは、信念と猪突猛進の人である。だからこそ、慎重な人ならさけることをしてはひどい目にあうのだが、同時に、信念と猪突猛進の人だからこそ、慎重な人がみんないなくなったあとも、ひとりのこって時代を切り拓くことができるのだ。
『スティーブジョブズ―偶像復活』
貧しさは生活の至るところで人間を傷つける武器として現れた。(中略)みんな、生きるために、生きていた。そこに生まれなければ発揮できたはずの沢山の可能性がある。しかし、正義や努力が日の目をみない腐った社会でも、自分の生きる道を何とか切り開き、力強く、生きていた。
私は何かの力になりたいと思ってこの国に来たが、私に持っていない「強さ」をこの国の人たちはみんな持っていた。
きっと私たちは、周囲の目をあまりにも気にしすぎ、他人の意見をよりどころにしすぎているのだと思います。
自分の知らない正解を誰かが知っているはずだと思い込み、泥臭く自分で答えを見つけ出す力強さを忘れているのだと思います。
裸でも生きる――25歳女性起業家の号泣戦記 (講談社BIZ) | |
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今日はもう一冊紹介します。
脱・三日ぼうず!続かない女のための続ける技術 | |
剣持まよ
サンクチュアリパプリッシング 2009-11-13 おすすめ平均 |
剣持まよさんの『脱・三日ぼうず!続かない女のための続ける技術』です。
女性向けに書かれた本で、ダイエット、家計簿、節約、スポーツなどなど、3日坊主で終わりがちなものをテーマに「どうすれば無理なく続けることができるのか?」を解き明かします。
結局言わんとしているポイントは、自分に甘くする、お邪魔を消すの2つのみと非常にシンプルで、中身もマンガなのでお手軽に読めます。
ビジネス書はハードルが高いという人はこういうのを読んでみるといいかもしれませんね。