「売れる営業マンになりたかったら相手を知れ!」といわれてもなかなかできない人のための営業質問術 (アスカビジネス) | |
明日香出版社 2009-09-17 売り上げランキング : 2408 おすすめ平均 |
松橋良紀さんの『「売れる営業マンになりたかったら相手を知れ!」といわれてもなかなかできない人のための営業質問術』を読みました。
前作『あたりまえだけどなかなかできない 聞き方のルール』に続いて、今回も営業のヒント満載の一冊でした。
特に人を動かす力を磨きたいと思っている人には、オススメです。
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● 欠点が見えてくる段階の人を見つける
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営業はまず見込み客を見つけるところから始まりますよね。
本書では見込み客が商品を購入するまでの段階を5つに分けています。
1.満足している状態
2.欠点が見えてくる状態
3.決断している状態
4.商品を探している状態
5.購入
これを見ると3.とか4.の顧客を見つければ楽に売れそうに見えますが、この段階にいる顧客には競合が既に多数ついている場合が多く、価格競争に陥るか、そもそも入り込む余地すらない可能性が高くなります。
うちでも、お客様を訪問したら既に製品を購入することを決めていて、ベンダーも2社に絞ってしまっており、手遅れだったというケースはよくあります。
では、どの段階の人を見つけるのが最も成果につながりやすいのか?
営業マンとして、一番の狙いどころは、もっとも割合が高いと言われる「欠点が見えてくる段階」(②)の人です。
まだ、本人がそれほど切迫感を感じていない段階から、決断の段階、商品を探す段階へと導いていく力が身についたとしたらいかがでしょうか?
まさに無敵の営業です。この本でその技術をマスターしていただきたいと思います。
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● 製品の説明はしない
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「今こういうところに不満を持っていてね・・・」なんてお客様から言われると、つい「実はいい製品があって!」と切り出したくなります。
が、これではほとんどの場合売れないのではないかと思います。
私も上司から「製品の説明は最後にやれ」と度々言われますが、他の先輩を見ていても、とりあえずカタログを広げてしまったり、製品の機能のアピールを始めてしまう人は、あまり売れていません。
考えてみればわかると思うのですが、カタログを見せるくらいで購入する程現状に問題意識を持っているなら、お客様はとっくに自ら動いているんですよ。
不満はあるのに動いていないということは、その問題なり課題を解決することにそれほど必要性を感じていないということなのです。
そこにいくら製品のアピールをしても、つまり解決策を提示しても仕方がありません。
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● 相手を動かす
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商品説明で必要性を高めるわけではないのです。その前に必要性を引き出しておくことが大事なのです。
必要性を引き出すために、本書では
・問題を質問で顕在化する
・その問題を解決する必要性を質問で自覚させる
の2ステップに大きく分けているなと私は感じました。
「今ここに不満があって・・・」というのはお客様が抱えている問題の氷山の一角に過ぎない場合が多く、横に広げ、深く掘り下げていくうちにだんだんと全体像が見えてくるものです。
「横」と「下」の2つの方向に広げていくのです。
ここで本書に出てくる質問のテクニックを使うのですが、興味がある方は是非本書を手にとって見てください。
一つだけ注意したいのは、お客様はそうそう本音を言ってはくれないということです。
よく「ヒアリング」とはいいますが、質問ばかりしているうちはお客様にとっては何のメリットもないわけで、あまりよい表現ではないなと思います。
うちでも売れている人は「ヒアリング」ではなく、「キャッチボール」ないしは「ディスカッション」をしています。
まず自分から有益な情報をgiveしたり、同じ問題意識を共有しながら議論したりすることで、「こいつと話しているといい情報を教えてくれるな」とか、「こいつは話がわかるやつだな」と思わせることが出来れば、いくらでも情報は聞き出せるようになります。
逆に、手ぶらで「困っていることを教えてください」と言われても、お客様は気分を害するだけでしょうね。
問題が顕在化したら、次はそれを解決する必要性を引き出します。
人が行動を起こすには、それをやることで得られる喜びが、しっかりとイメージできること。または、やらない場合の痛みや恐怖がしっかりとイメージされる必要がある
試験勉強でも、「いい点とったらかっこいいぞ!」というプラス面だけよりも、「悪い点とったらかっこ悪いな・・・」というマイナス面も同時にイメージできていたほうが、「勉強しなきゃ!」という気になりますよね。
それと同じで、お客様に対しても
・解決することによるメリット
・解決しないことによるデメリット
の両方が見えていたほうが、問題を解決する必要性をより引き出せるのです。
この2つのギャップが大きければ大きいほど、緊急性は高くなる
ここまでいけば、あとは放っておいてもお客様は動き出すでしょうね。
まとめると、
1.欠点が見えている顧客を探す
2.横に、下に広げていくことで問題の全体像を顕在化する
3.メリットとデメリットの2つで対策をとる必要性を引き出す
4.製品で解決してあげる
となるでしょうか。
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以下、私用メモ
言葉の占める割合は、ほんのわずか7%
「何を話すか」よりも大事なことは、「どうやって話すか」
オープン・クエスチョンの6パターン
1.具体化する質問
2.本質を確認する質問
3.問題志向の質問
4.解決志向の質問
5.視点を変える質問
6.五感に問いかける質問
『子どもの頃の話までするということは、この相手とは親しい関係の人に違いない』と潜在意識は認識します。
「もしもの場合」に遭遇した人たちの体験談を充分に集める
相手に考えてもらい、認識してもらいます。
商品説明は、相手の興味を引くキャッチコピーを準備しましょう。
まずは結論から話すのが、興味を引く説明の順序です。
利益系は、「これだけ得する」または、「こうしないとこれだけ損をする」というパターン
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