リトル・ランナー [DVD] | |
マイケル・マッゴーワン
ギャガ・コミュニケーションズ 2006-10-27 おすすめ平均 |
映画、『リトル・ランナー』を見ました。
とてもいい作品だと聞いていて、ずっと見たい見たいと思っていたものの見つからずにいたのですが、職場の先輩に話したら何と次の日、探して借りてきてくれました。
舞台背景は1950年台。
主人公のRalph(14歳)は戦争で父親を失っており、母親も病を抱え入院しているため、一人で暮らしています。
しかしその母親も物語の前半で昏睡状態になってしまいます。
「奇跡でも起こらない限り、お母さんは目を覚まさないよ」と告げられてしまうのですが、彼は落ち込むどころか「奇跡が起こせればお母さんは目を覚ますのか」と希望を持ち始めます。
それからは授業中に「奇跡を起こすには何が必要ですか?」と質問してみたり、彼は奇跡をおこす方法について模索し始めます。
そんな時、ひょんなことから入部することになったクロスカントリー(マラソン)部で、「ボストンマラソンで君が優勝できたとしたら、それは奇跡だ。しかしそんなことは決して起こらないがね」と顧問の教師から告げられます。
「僕がボストンマラソンで優勝すれば、お母さんは目を覚ますのか!」
その日から彼の信じられないような猛特訓が始まるのです。
元々何かと周囲の大人やクラスメートの笑いの種にされていた彼ですが、この1件でますます周囲から懐疑の目で見られるようになります。
「ボストンマラソンで優勝しても、お母さんが目を覚ますわけがない」
「お前が優勝するなんて、不可能だ」
「ボストンマラソンで優勝することと、お母さんが目を覚ますことは関係がない」
「お母さんはもう、目を覚まさないよ」
「奇跡なんて口にするんじゃない」
しかし彼はめげないのです。
単純なのか、それとも本当はマラソンで優勝することと母親の病気とは関係がないことを知りつつも、藁にもすがる思いで信じることで希望を持とうとしているのか、それはわかりません。
しかし、どんなに周りから馬鹿にされても、彼は毎日ひたむきに走り続けるのです。
“I have nothing to lose.”(僕には失うものなんて何もないんだ)
“I honestly don’t care what anybody is saying.”(周りの人が何と言おうが、僕にはどうだっていいんだ)
“Do you have ever, not know and still jumped?”(先が見えなくても勇気を出して飛んだことはある?)
そんな彼の姿勢は、だんだんと周囲の目も変えていきます。
“I believe, you can win the race.”(僕は君が優勝できると信じているよ)
“You can do it, Ralph!”
“Ralph Walker defied me, and you defied me.”(ラルフ・ウォーカーは私に盾突き、君(マラソンを教えた教師)も私に盾突いた)
“He followed his heart.”(彼は自分のハートの声に従ったんですよ)
マラソンで優勝したら母親が昏睡状態から目を覚ますなんて、どう考えたって論理的じゃありません。
しかし同時に、それが全く関係がないことだと科学的に証明できる人もいないのです。
周囲の雑音を気にも留めず、自分のハートの声を、そして「必ず優勝できるはずだ」と自分自身を信じ続けた末に彼が得たものを見ると、世の中頭のよさや要領のよさが全てではないなと思えます。
自分を信じることの大切さを教えてくれる、非常に良い作品だと思います。
興味があれば、是非。
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