欠点を直さずに幸せに生きる方法 | |
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齊藤正明さんの『欠点を直さずに幸せに生きる方法』を読みました。
そもそも欠点なんてあるのか?という視点で私は読んだのですが、本書を読んで私が感じたのは以下の3つでした。
・長所も欠点もない
・目標に縛られてはいけない
・目的には2種類ある
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● 長所も欠点もない
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就活の面接対策で、先輩や後輩に「自分の長所と短所は何だろうか?」と何度か聞かれたことがあります。
私はそのたびに、そんなものはどうでもいいから、それよりも自分はどんな人間で、何を目指していて、そのために毎日どんなことをやっているのかを面接官には話したほうがいいのではないですか、と答えました。
その人たちには結局理解してもらえませんでしたが、私がそう答えた理由は2つあります。
1つは、自身の長所と短所それ自体には、面接官は興味を持たないのではないかと思っていたから。
もう1つは、そもそも長所と短所なんてないんじゃないかと思っていたからです。
私が自社の面接官だったら、「積極的」「前向き」「心配性」といったレベルの長所や短所などに興味を持ちません。
知りたいのはそんな表面的な属性ではなくて、一緒に働きたいと思える人物かどうか、自社に貢献してくれそうな人物かどうかでしょう。
であるならば、「コミュニケーションが得意です」とか、「前向きな性格です」とかいうよりも、「私は将来○○のようなことをしたいと考えていて、そのために日々△△をしています。この会社では◇◇な形でそれを実現できるのではないかと思いました」と伝えたほうが、よっぽどアピーリングなのではないでしょうか。
また、そもそも長所や短所なんてあるのでしょうか?
それについては、本書が非常に面白いことを述べています。
欠点というのは、長所と表裏一体
自分を見る角度を変えていまの自分を肯定して、自分に備わった特徴の使い方を変えてみる。
例えば一見頑固な人も、見方を変えれば意志の強い人とも取れます。
内向的な人は、思慮深い人かもしれません。
せっかちな人も、場合によっては行動的に映るかもしれません。
結局あるのは長所や欠点ではなくて、その人の持つ「特徴」だけなのではないでしょうか。
その「特徴」が、使う場面や使い方によって、良い結果を生むこともあれば悪い方向に働くこともあって、それが長所や欠点として映っているだけなのでしょう。
であるならば、欠点を直そうとするのは自分の特徴を消そうとすることと同じになるのですが、そんなことは不可能です。
私たちが取り組むべきなのはそんなことではなく、自分の持つ「特徴」をいかに上手に活用するかであって、どんな場面で使えば良い結果を生みやすいのかを考えることが重要ではないかと思いました。
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● 目標に縛られてはいけない
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私は目標を決して否定してはいませんし、むしろ有意義なものだと考えています。
ただ、一度立てたからといってあまり目標に縛られすぎるのもよくないだろうとも考えています。
人生は不確定要素が満ちています。(中略)それを私たちは予測できません。だから、目標を立てることはとっととあきらめてしまいましょう。
目標を立てて、そのとおりに事が進むことがもっともいいことだと思われていますが、それでは望ましい偶然が起こりにくくなります。
以上のように本書では書かれているのですが、それに加えて重要なのが目標に対する「何故?」、つまり目的ではないかなと私は思います。
目標を立てたときは非常にモチベーションが高くても、ある程度進んでみると見る見るうちにやる気がなくなってしまうことはよくあります。
理由はその時々でいろいろあるでしょうが、そのときに頭をよぎるのが「自分はそもそも何故この目標を達成したいのか」という質問です。
特に固執するような理由(=目的)がないのであれば、そんな目標はさっさと忘れたほうがいいでしょう。
どうせ続きません。
生きていれば見える景色も変わってくるし(何もしなければ今のままかもしれませんが)、やりたいことや興味のわく対象が変わっても不思議ではないのですから、ストイックになりすぎずに、目標も柔軟に変えたほうがいいと思います。
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● 目的には2種類ある
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上の内容に「目的」と書きましたが、目的には2種類あるなと私は考えています。
それは、自分の中で完結する目的と、完結しない目的です。
そして、この2つが同時に存在するような対象を見つけられれば、それはきっと長く続くだろうなと思っています。
ブログで考えるとわかりやすいかもしれません。
例えば「ブログで本を紹介してアフィリエイトで稼ぐ」という目的だけでブログをスタートしたとします。
しかし結果がすぐに出ることは稀で、しばらくは売り上げゼロの時期が続くでしょう。
そうすると「このやり方はまずいのではないか」「そもそも需要がないのではないか」「マーケットが小さいのではないか」という考えが頭をよぎり、しまいには「これ以上続けても無駄ではないか」というところに落ち着きます。
何がいいたいかというと、目的の実現が他者によって左右される場合は、その相手次第で自分のモチベーションも左右されてしまうということです。
このとき上記の目的とは別に、「本を読んで考えたことをブログにまとめることで、読書を血肉にする」という目的があった場合はどうでしょうか。
別に売り上げがでなくても、後者の目的は達成できます。
これは目的の実現が他者に左右されず、自分の中で完結しているからです。
こういうものは長く続きやすいです。
では、自分の中で完結する目的のみの場合はどうでしょうか。
何かを続けていると、困難や苦境に出会うことがしばしばあります。
このとき、自分さえあきらめればその苦しみから逃れられるのであれば、人はあきらめてしまうかもしれません。
しかし、その人を応援してくれる人、必要としてくれる人がいた場合はどうでしょう。
そういう人たちのためにも自分はがんばらなければならないという、勇気がわいてくるのではないでしょうか。
有意義な目的とは、自分の中で完結する目的と完結しない目的の2つが備わったもの、言い換えれば自分のためであると同時に自分以外の人のためでもあるものではないかと私は思ってます。
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本書はサンマーク出版の小野佑仁様よりいただきました。
ありがとうございました。
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