不確実性分析 実践講座 | |
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福澤英弘さんと小川康さんの『不確実性分析 実践講座』を読みました。本書は意思決定の際につきものの「不確実性」について取り扱っているのですが、私自身はまだあまり意思決定を行う機会がないので、別の視点で読んで見ました。
フレーミング
意思決定の対象を定めることを、「フレーミング」と言う。
意思決定の対象を定めるとは要するに、何についてどんな意思決定を行おうとしているのかを共有することです。例えば開発しようとしているシステムについて全体最適で意思決定を行おうとしている部門長や経営層の人に対して、営業がツールの機能を熱弁してみたところであまり興味は持ってもらえないでしょう。相手が何を決めようとしているのかを理解して、同じ視点ディスカッションができなければ、企画を進めるのは難しくなります。
ゴールやコンセプトを共有するまでは非常に苦労したものの、一旦それが共有できてからは目指すべきものが明確になり、いちいちこちらがやるべきことを決めなくてもメンバーが勝手に自分で考えて工夫しながら行動してくれるようになり、進行が非常に楽になった経験が私にもあります。メンバーにある程度自由を与えて放任したいのなら、まずはビジョンを共有してしまうことだなと感じています。
ストラテジーテーブル
フレーミング、もしくはビジョンを共有する際に使えると思ったのが本書で紹介されているツール、「ストラテジーテーブル」です。実際に先日、ディスカッションの際に使ってみました。今進めている企画のゴール及びコンセプトについて、
・いつ
・どこで
・誰が
・何を
・どうする
の項目を埋めながらアイデアを出し合いました。例えば、
・4月
・オフショア研修で
・私たちが
・洗い出した会社の問題点について
・社長とディスカッションする
といった具合です。これを使うと何がいいかというと、自分が議論しようとしている対象と相手が議論しようとしている対象のギャップを埋められるのです。上の例で言えば、もしかしたら別の人は
・4月
・オフショア研修で
・私たちが
・社内のコミュニケーションの問題について
・議論する
といったことを考えており、同じテーマについて話しているようで実は違うものを目指しており、どこかで議論がギクシャクすることになります。ディスカッションしようと思ったなら、まずは自分たちが何について話、何を決めようとしているのかをストラテジーテーブルを使いながら共有し、出てきたアイデアの中からいろいろな組み合わせを試してみるといいかもしれません。
本書はインテグラート株式会社の木股様よりいただきました。ありがとうございます。
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