20代から身につけたい ドラッカーの思考法 | |
藤屋 伸二
中経出版 2010-07-14 おすすめ平均 |
藤屋伸二さんの『20代から身につけたいドラッカーの思考法』を読みました。後輩から今読んでおいたほうがいい本は何かと聞かれたとき、私はドラッカーの『プロフェッショナルの条件』を薦めたくなります。常々感じているのですが、まず、自分の頭で考えない人が多すぎます。
口をあけて待っていれば知識や正解を教えてもらえる学校型の教育に慣れ切ってしまっているのか、
「もっと成果を上げるには何をすればいいだろうか?」
「そもそも成果とは何だろうか?」
「この仕事の目的は何だろうか?」
「自分が果たすべき役割は何だろうか?」
「貢献するうえで自分がこれから学ぶべきことは何だろうか?」
といったことを自分で考える人がほとんどいません。
成長し、成果を出そうと思うならば、私たちはもっと疑問を持つ必要があります。疑問を持ち、考え、学ばなければ本質にたどりつけませんし、本質を知らなければいい仕事はできません。ドラッカーの本質的な考え方は20代の若いうちにしっかり学んでおく価値があると思うのですが、ただ、人によっては内容が難しいため、途中で挫折してしまったり、よくわからないまま読み終えてしまうのかもしれません。そんなときに本書は使えると思います。
成功体験を捨て去る
「いつのまにか答えだけを覚えていて、質問を忘れる。そして、質問(ニーズ)が変わったにもかかわらず、同じ答え(商品)を同じ方法で出し続ける」
これは成功した多くの企業が、その後伸び悩み衰退していく原因です。ビジネスには正解がないとよく言いますが、あるニーズに対して適正な解決策があるだけで、全てにおいて正しい解決策があるわけではないのです。ビジネス書でノウハウを学んだり、他の人がうまくいった方法を真似ることについても同じことが言えます。
それはある条件でうまくいった方法に過ぎず、そのまま模倣してもうまくいくとは限らないのです。だから私たちは、その答えはどんな質問に対するものだったのか、それを別の質問に応用するとどんな答えになるのか、と自分で考える必要があります。正解だけを都合よく盗むことはできないのです。
選択と集中
「戦略とは捨てる勇気だ」
と、本書にあります。何故捨てることが必要なのか?それは、人も企業も使える資源(人、モノ、カネ、時間等)は限られているからです。サッカーでストライカーになろうと思うならば、キャッチングやディフェンスではなく、シュート、ドリブル、ポジショニングなど、点を取るために必要なスキルを重点的に磨くべきです。
全部を平均的に伸ばしていたら、どれも中途半端で使い物にならなくなります。私たちの仕事も同じで全てに手を出していたら尖れません。だからこそ捨てる勇気も必要なのですが、しかし自分の頭で考えない人はこれができません。何が必要か自分で考えないから、逆に何は捨ててもいいのか判断できません。そもそもそういう発想がないので、目の前にあるものに何でも中途半端に手を出します。
「今日のように多様化した組織社会では、すべてが平均的というより、何かひとつでも飛び抜けた強み(お客様にとっての魅力)をもつことが重要」
何かを捨てるのは勇気が必要で大変なことですが、実際には何かに絞ったほうが楽になることもあるのです。
以下、メモ
・「当たり前のこと」のなかに強みが隠されている
⇒「他社は、なぜこんなことができないのだろう?」と思えることが強み
・自己管理に必要な情報の提供
⇒自分がどこを目指していて、現在地はどこか。会社での役割や位置付け、会社全体の動きや状況がわかるほどやる気になる。
20代から身につけたい ドラッカーの思考法 | |
藤屋 伸二
中経出版 2010-07-14 おすすめ平均 |
One comment
いつも参考にしております。
また遊びにきます。
ありがとうございます。