10分間リーディング | |
鹿田 尚樹
ダイヤモンド社 2010-10-29 |
会社に就職する前は時間に余裕があったこともあり、1日1冊の読書をそれほど苦労せず続けることができました。しかし自分の時間が減った今ではまとまった時間を確保するのが難しく、なかなか1冊の本をじっくり読むということができなくなってきました。加えてブログへのアウトプットをルーチン化しているので、なおさら読むための時間は限られます。
そのため、本からの学びの質を落とさずにもっと早く読みたいものだと最近はよく思うようになったのですが、今日はちょうど良い本を読むことができました。鹿田直樹さんの『10分間リーディング』から、「10分で本を読むための4つのポイント」をご紹介します。
1.「1冊10分」と決めて読む
「1冊10分」と決めてから、本を読みます。
必ずしもすべての本を10分で読む必要はないのですが、ビジネス書や専門書などで本の中から1つでもエッセンスを学びたいという場合は、あらかじめ読む時間を10分と制限してしまいましょう。そうすることで集中力を高め、少ない時間で密度の濃い読書ができるようになります。
2.「Read」よりも「Search」で読む
「文章を読む」というよりは、「単語を拾う」というイメージです。
10分で本を読もうと思ったら、すべてを読むことはできません。なので、まずは本を最初から最後まですべて読むことをやめ、その本から何を学びたいのか、あらかじめ目的を絞ってしまいましょう。その上でその目的に合致する部分だけを「拾う」ようにして読めば、今の自分に必要な部分を効率よく吸収できるようになります。
3.スキマ時間に読書しない
スキマ時間を有効に使って読書をしているという人も多いと思いますが、実はスキマ時間には本を読むよりももっと効果的な使い道があります。それは、読書した記録を読み返すことです。いくら早く本を読んでも、読んだら読みっぱなしでは結局身に付きません。読んだ本の内容を効率よく取り入れるには、忘れないように定期的に読み返すことです。私は記録媒体としてブログを使っていますが、本書でも紹介されているように、読書ノートやEvernoteを使うのもいいと思います。
4.同じジャンルの本を10日連続で読んでみる
知っていることが増えれば、自然と本を読むスピードは上がります。
今まであまり触れたことのないジャンルの本を読む場合、そもそも知らないことばかりのため、目的をあらかじめ絞るということができません。もしあなたがまだそういう段階であるならば、まずは同じジャンルの本を10冊連続で読んでみましょう。すると重複して書かれているポイントをつかむことで共通する重要ポイントがわかったり、逆に別の本では触れられていない差分がわかるようになります。この「差分」がわかるようになると、次からはそこだけを読めばいいようになるので、読書スピードは自然と上がっていきます。
さて、本をたくさん読むことは大事だと思いますが、だからといって闇雲に速読に走ることに私は反対です。自分の中に知識の土壌がない中でいくらエッセンスだけを拾い読みしても、それは使える知識にはなり得ないからです。ビジネス書や専門書はたいていの場合、著者がうまくいった方法が紹介されているだけであって、それをそのまま実践したからといって必ずしも私たちが同様にうまくいくとは限りません。著者がその方法でうまくいった背景は何だったのか、その背景に対して著者はどのように解釈をして、その方法を実行したのか。
そこまで分析しなければ、著者の方法を自分の場合に当てはめることはできないのです。そこが、読書を有効にいかせる人と、そうでない人の大きな違いの1つだと思います。10分とはいきませんが、私も以前と比べるとかなり本を読むスピードは上がりました。それには、本書でも言われているように本をたくさん読むことで「差分」がわかるようになり、そこだけを拾って読めるようになったことが大きいと感じています。むやみに速読を推奨せずに、効果的なアウトプットまで意識されている本書はなかなかオススメなので、読書に興味がある方は是非読んでみてください。
10分間リーディング | |
鹿田 尚樹
ダイヤモンド社 2010-10-29 |