寄生獣(完全版)(1) (アフタヌーンKCDX (1664)) | |
岩明 均
講談社 2003-01-21 おすすめ平均 |
今日はマンガの紹介です。
地球上の誰かがふと思った
『人間の数が半分になったらいくつかの森が焼かれずにすむだろうか……』
ある日地球に現れた謎の生命体たち。彼らが人間の脳を奪うことで身体をのっとり、人を食らうことを本能とする人間の捕食者となり、人間社会の脅威となるというのが物語の設定です。彼らは人間の身体に寄生する「パラサイト」と呼ばれるようになるのですが、物語が進むにつれ、何でも自分たちの都合で利用し破壊する人間こそが実は「寄生獣」なのではないかと考えさせるところに、このマンガの深みがあります。
人間を捕食するパラサイトと同様、人間だって何食わぬ顔で動物の肉を食べているわけです。しかしパラサイトたちが同胞の死に対して何も感じないのに対し、人間は悲しみ、怒り、涙を流すことができます。動物やパラサイトたちがいつでも自分たちの生命維持のために合理的に行動するのに対し、人間はときに自分が損をしてでも誰かを守り、役に立ちたいと考えます。そんな中で人間らしさとは何なのだろうか、人間の尊さとは何なのだろうかと考えてしまいます。
生態系の一員としての人類の位置付けを、あらためて問いかけてきます。なかなかオススメなので、是非読んでみてください。
以下、名シーンをいくつか紹介します。
わたしの『仲間』たちはただ
食ってるだけだろう……
生物なら当然の行為じゃないか
シンイチ……
『悪魔』というのを本で調べたが……
いちばんそれに近い生物は やはり人間だと思うぞ……
人間に寄生し生物全体のバランスを保つ役割を担う我々から比べれば
人間どもこそ地球を蝕む寄生虫!!
いや……
寄生獣か!
さようならシンイチ…
これで……お別れだ……
シンイチ……
いちばんはじめにきみに出会って………
きみの……
脳を奪わなくてよかったよ……
おかげで友達として………
いろいろな楽しい……思い出を……
寄生獣 全8巻 完結コミックセット | |
講談社 2010-01 売り上げランキング : おすすめ平均 |