なぜ桃太郎はキビ団子ひとつで仲間を増やせるのか?~儲かる会社は知っている! ~ | |
岩崎聖侍
TAC出版 2011-03-25 |
本書は著者の岩崎さん、池上さんよりいただきました。正直なぜこれを選んだのかというくらい本書の桃太郎は微妙で、かつ著者の経営するフリーライフコンサルティングのHPはカオス(特に動画・・・笑)ですが、内容は的確で驚きました。ストーリーブランディングを学びたい方にオススメしたい一冊です。
1.現代消費者はモノを買わなくなっている
いい商品や、いい広告をつくっても、モノが売れなくなってしまいました。それは何故か?現代消費者にはどうしても欲しいものなどなくなってしまったからです。昔の「テレビ!冷蔵庫!クーラー!」のように、誰もが共通に物欲を刺激される時代は終りを告げ、多くの日本人は現在、将来への不安から消費を控え始めています。
2.現代人は◯◯を欲している
現代人はモノを買わなくなりましたが、しかし逆に欲しているものがあります。それは、「自分は必要とされている、認められている、人とつながっている」という実感です。物欲を満たされた人々は、内面に目を向け始めています。多くの人が、「誰かの役に立ちたい」「ありがとうと言われたい」と感じているのです。それが現代人の”生きる目的”になっているといっても過言ではありません。
3.現代人は、物語に参加したがっている
バブル時代と違い、現代人は身の丈に合った買い物をします。たとえ友達が買ったものでも、自分が不必要だと感じたら買うことはありません。しかし自分が強く共感したもの、自分らしくあるために必要なものについては、多少値が張っても買うのです。その商品を買うことで、「自分は必要とされている」という物語に参加したがっているのです。そんな中で、「高性能、高品質、低価格」だけで勝負していたら、負けてしまいます。「社会の役に立っているという実感」を得やすい物語を持つ会社や商品が成長する時代なのです。
【まとめ】
さて、本書のキモはこのあとに続く、実際に物語を作るためのノウハウ「ヒーローズ・マーケティング」なのですが、ここは是非本書を読んでみてください。ひとつだけポイントを紹介すると、それは「主人公に楽をさせない」こと。つまらない物語は、必ず主人公の葛藤が足りません。応援される物語をつくるには、困難、失敗、挫折といった葛藤を書ききれるかが重要なのです。「今までにそんな葛藤なんてなかったよ!」という人(もしくは会社)は、難しいことに立ち向かってこなかった証拠です。今後はもっと挑戦してくださいね。
なぜ桃太郎はキビ団子ひとつで仲間を増やせるのか?~儲かる会社は知っている! ~ | |
岩崎聖侍
TAC出版 2011-03-25 |
One comment
河村さん
この度は、拙著をお読みいただき、本当にありがとうございます。
また、書評まで書いていただき、感謝感激です。
桃太郎ですみません。僕も、今となっては、なぜ桃太郎なのか、わかりせん(笑)
これからも、みなさまと一緒に、日本に一つでも多くの、笑顔になる物語を増やしたいと思っています。
よろしくお願いします。
いつも、ありがとうございます。