百年たっても後悔しない仕事のやり方 | |
出口 治明
ダイヤモンド社 2011-03-11 |
周囲を見ていても、ヤル気のある人ほど、悩みを持ちやすいのかなと感じます。理想や目標がある分、現状のままでいいのか、別の職場に移ったほうがチャンスがあるのではないかとか、考えがちです。そんな時に読みたいのが本書、『百年たっても後悔しない仕事のやり方』です。
1.自分に正直に仕事をする
正直ということを、いちばんわかりやすく考えてみると、「かげひなたのないこと」だと思います。自分の考えていることや具体的な行動が、他人が見ているかいないかで異なったりしないように、生きることです。
(中略)
日頃の仕事の場面場面の中で、正直に自分の考えを表明することは、時には辛いことであったり、一時的に反感を持たれたり、孤立させられることもあり得ます。しかし、ちょっと長い視野で考えれば、自分の旗色を鮮明にしておくことは、自分の心を楽にしてくれるはずです。
(中略)
「正直」とは、最も健康な精神だと思うからです。
2.合理的に最上を目指す
まず自分で考えて、これが最善だと思う方法で実行する。そして、終わったあとで職場の誰かに聞くのです。
(中略)
表現を変えれば、どんな仕事でも合理的な方法論を考え、最上の結果を目指して立ち向かうことです。それを続けていくと、ちょうど食べ物の好き嫌いがなくなるように、仕事の好き嫌いもなくなります。
3.数字とファクトでロジックを作り、ビジネスプランを紡ぎ出す
誰かの成功例に頼ろうとはしないで、最も正当だと自分が考える方法を実行することが重要です。具体的には、人とは違う、独自のアイデアを考えることが、第一の条件です。そしてそのアイデアを現実のものにするために、数字(データ)とファクト(関連する事項や過去の事実など)を使用し、実証的な裏付けのあるロジック(理論)を構築して、ビジネスプランを紡ぎ出すことです。
4.常識を疑う
眼前にある価値観や常識によって態度を決めないことです。いま安全であることや安心出来ることを追い求めないことです。寄らば大樹の陰といいますが、その大樹は大きいだけで枯れ始めているかもしれません。たとえ小さくても、元気が良くて陽をいっぱい受けているような明るい樹によりそうことです。自分の眼力を信じ、自分で納得することをやる。そのような姿勢で、仕事と向き合うことです。
5.使いにくい社員になる
会社のこういうことは、こういうふうにやればいいんですね、と安心して考えていける人です。とても便利で使いやすく、(中略)常識の世界をでない人です。しかし、今のような従来の常識が通用しない時代においては戦力にはなりません。
「使いにくい人」はなぜ使いにくいかといえば、自分の考え方を持っていて、いつも物事を原点から考えるからです。(中略)「この会社は、ここがおかしいのではないか」とつい考えてしまう。
(中略)
自分で考える力を身につけさせなければ、世界が変わったら役に立たないのです。
【まとめ】
人に言われたとおりにだけやっていれば一時的には楽かもしれない。しかし、自分の頭で考えなければ成長はしないし、納得できないことを自分を騙しながらやっていたら、心が病んでしまう。だったら、自分の心に正直になろう。最終的に自分が正しいと思った方法で、成果が出るまで自分の責任でやり抜く。
たとえ使いにくいと最初は思われても、負けないだけの努力をする。そんなメッセージが伝わってくる一冊でした。
百年たっても後悔しない仕事のやり方 | |
出口 治明
ダイヤモンド社 2011-03-11 |